会長就任の挨拶

 この度、令和5年6月9日に開催されました名古屋税理士政治連盟(以下「名税政」という。)第50回定期大会において再度会長に就任させていただきました。記念すべき大会において選任されたことを重く受け止め、しっかりと会務に努めてまいります。

 ここ数年、経済状況と構造変化、そして世界の環境の変化に伴ってか、わが国の税制改正は今までにない様相を呈していると感じています。各税目においてより複雑化し、納税者に対しより理解に苦しむものとなってきています。それに加えICT化の波が急速に押し寄せ、あらゆる手続きにおいてデジタル化が進んでいます。我々税理士の業務においても変革が求められ、納税者、税理士共に時代の波に戸惑う状況にあります。

 名税政が今年度作成した、令和6年度税制改正要望書において、最重点要望事項として「所得控除を見直すこと」「消費税は単一税率とすること。」を挙げています。

 税体系の根幹である所得税に関して、近年の改正に関して、憲法25条に定める「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保証する基礎的な人的控除への対応に違和感を感じています。消費税改正に関しては、日本固有の歴史ある帳簿組織が存在する中で、世界基準の名のもと、インボイス制度そして電子インボイス導入へと納税者を置き去りに押し進んでいます。

 令和4年度税制改正と共に税理士法改正も行われました。社会における税理士のあるべき姿に関してより進化を求められる形となっています。名税政は、税法改正と並び、税理士法改正においても、名古屋税理士会の方針に添った活動を進め、税理士制度の維持発展に努めていかなければなりません。

 名税政は、税理士会の税制改正および税理士制度改正の要望の実現に向けて、政党や国会議員に働きかけを行っています。この効果を実現に結び付けるために国政選挙に際しては推薦候補者を決定しその選挙の支援活動を積極的に行っています。これら後援会組織の活動に関しても会員皆様のご理解をお願いする次第であります。

 毎度のお願いにはなりますが、会員の皆様の協力がなければ名税政の活動は成り立ちません。2年間どうかよろしくお願いいたします。

会長 菱田裕之